目に見えないけれど

インドからバングラデシュにかけて中心気圧942hPaのサイクロンが猛威を振るった。尊い命を連れ去っていく自然の猛威にひれ伏すしかないのだが、それでも現地対応は素晴らしかったと、国連は現地対応を称賛している。猛烈な台風が昨年、我が国を襲撃し、各地で甚大な被害をもたらしたことは記憶に当たららしい。TV映像でサイクロンの有様を見たが、最大風速55mって計測間違いなのではと思う程の猛威であった。我が国に来ていたらと思うと、ただただ、恐怖である。

天災は忘れたころにやってくるとは寺田寅彦先生のお言葉とされているが、具体的に残された文章の中からは見出されていない。過去には天災と呼べる大規模な地震・雷・火事・台風(おやじ)は、それこそ「前回はいつだったっけ?」というくらいのタイミングでしかやってこなかったという事なのだろうが、近年は年がら年中やってきている気がする。

気象庁によれば海洋監視海域の水温は、エルニーニョ現象が続いているとしており、日本においては暖冬・冷夏の指針となっている。エルニーニョだけを見ていると、暖冬だったのだろうなと感じるし、そうなると今年の夏は昨年ほどには酷暑にならないのかなと期待してしまう。目に見えるものに引っ張られるという、人間の浅ましさに苦笑いである。

目に見えると、まだやってきてもいない未来においても、自分が安楽の方向のきっかけとして採用してしまう。見えなければ不安に思って過剰防衛に走ってしまう。10連休が終わったばかりであるが、お盆のお休みもカレンダー上では見えているわけで、そこで何をしようかなとたくらんでしまう。常日頃こそ新規事象を生み出さねばならぬのに、見えるものを原因にして行動しない自分が見える。何とかせねば。