浅知恵

初めて出掛ける場所があると、学生時代においては「何とか気合で」近づいて、就職してからは事前に地図で調べられるだけ調べ頭に入れて、今ではGPSと住所任せで、お気楽極楽になったもんだと実感する。山においてもコンパスと地形図だけが頼りであったが、今ではガーミン君が相当に威力を発揮する。発揮はするが、保険で地形図とコンパスはザックの底に潜んでいる。電子機器への絶対的信頼などは、たぶん、小生は死んでも無いだろうね。関わってきたからね。

それはさておき、久し振りに箱根の火口周辺地域に噴火警戒レベルの情報が伝えられた。東京圏エリアの一大観光スポットだから、警戒レベルの変化は大々的に報道されますな。測位衛星を利用した全世界測位システムGNSSの観測によれば、3月くらいから顕著な変化が観測出来ていたそうな。10連休中前の発表は避けたいというのが地元の意向だったのでしょうけれど、かなり信頼できるGNSSの誤差範囲を超えた計測結果を観光収入と天秤に掛けたということ。

気持ちはわからないでもないけれど、もしも噴火が発生していて、後になって「実は知っていました」というのは相当にまずかろう。温泉や風景はそもそも地球の活動がもたらしたものなのだから、人間の都合でどうにもなるものではない。どうにかしてはいかんのだ。いかんものはいかんのです。

名古屋に来てから箱根観光などしたことは無くて、やっぱり関東の観光地だよなぁと、NHKのニュースを見ていて思った次第。中部地域では御嶽山が同様の状況にあるわけだが、南アルプスから御嶽山に掛けては、常に隆起を続けていて火山活動と地殻変動との相関が見いだせていないらしいのだが、それなどはAIで相関関係を既に見つけていると思うので、世間に公表して頂きたいと切に願う。自然への畏怖の念。忘れては生きてはいけない。改めてそう認識した。