現在、宇宙は揺らぎによって突然生まれ、爆発的に広がり、10のマイナス6乗秒程度でクォーク等素粒子が衝突し陽子や中性子が生まれ、3分後に、それらが衝突し始め、水素(陽子)からヘリウムが合成されたと言われている。水素とヘリウムの比率は12対1であって、これが宇宙に水素が満ちて新しい元素合成が進んだ理由である。だから何だと言われても困るが、我々が存在できる理由はここにある。ビッグバンと呼ばれる現象だが、質量数7までの元素合成で一旦合成は終了した。
30万年程度たった後、漸く、高温の宇宙が冷め初め、陽子やその他の原子に電子が捕まり、新たな元素合成が始まった。水素やヘリウム原子は近づきあい、自らの重力で密度を上げ星が出来た。太陽程度の星では大略100億年の寿命だが、現在の太陽系は46億年前に出来たと言われ、39億年前に地球上で炭素が生命によって集められたと言われている。あくまでも言われているのであって、見てきたのではない。
人類っぽくなったのはたったの700万年前であって、生命誕生から人類誕生までの間、様々な出来事がありすぎて人類の寿命とやらが情けなくなる。素粒子が生まれそれらがくっつき合って、その結果が今、目の前にある世界である。バーチャルな世界まで頭の中で生み出して、それを他人に見せることが出来る時代にまでなっている。イノベーションを起こしてお金を稼げとお国は言うが、たかだか元素の集合体が何を頑張るのだろうと思うのだが、未だに世の中謎だらけなのだなと、ノーベル賞の発表を見るたびにため息が出る。
ふと気が付くとススキに穂が出ている。思えば間もなく中秋の名月日だ。人間の寿命程度の間には天空は規則正しく、その国々の四季を運んでくる。地球温暖化ガスを出し続ける人類に対しても夏も冬も太陽は平等に運んでくる。無尽蔵にエネルギーを地球に与え続ける太陽と、地球の自転軸を安定化させている月。宇宙を思うとその壮大さに感服するのみだが、今日も地上で悩み続けなければならない自分なのだと考えると、ちっぽけ過ぎて笑ってしまう。ススキの穂を見て、ふと元素誕生の歴史を思い出した私であります。