見えない業界

自動車の場合、内燃機関業界がモーター業界に変化するという単純なことでは無い。IoTの権化として、電動スクーターなどと共に加速的に変化していくものだ。そうではあるのだが、自動車販売店が街中で増殖しているのをみていると、やっぱりこの国には自動車しか儲かる業態が無いのだなと、これはため息が出る。

確かに、自動車ほど関わる人が多く、日銭を稼げる仕組みになっているものはない。航空機など些末なものであって、自動車業界から航空機業界へと政府のお役人様は仰るが、そんな暢気なものではない。町工場という概念そのものがでんぐり返る世界市場であって、働き方改革どころか、働き方崩壊くらいの社会変革がどんどん起こっていることを見逃してはならない。

印刷業界など、つい先日までは紙とインクで絶滅危惧種ということだったが、今や、人工臓器製造まで見事にこなす神の領域サイドの業界になり始めている。それはそうだろう。人間がピペットを持って実現できるのだから、それをより高速に、正確に、そして無酸素などの環境でも無慈悲なまでに正確に動き続ける精密機械である。見事なロボットである。

印刷業という名称は、大きく、製造業という名称が与えられるべき程に、その実現可能性が秒の単位で進化している。最早誰も把握できないのではと感じている。ちょっと前までこの程度だったのに、今日はここまで進化しましたとばかりに、新しいネタが出てくる。感動する業界である。