ハーメルンの笛吹き男に思う

グリム童話でおなじみのハーメルンの笛吹き男のお話は、世相を反映していて実に興味深いと感じている。あくまでも小生はそう感じているということで客観的に何かを語ろうという事では無い。童話のお話は「お金を上げるからネズミを退治してくれ」という町民からの依頼でそれを請け負った笛吹き男が、笛を吹いてネズミを溺死させたのに、町民は笛を吹いただけではないかという言い掛かりを付けて、対価を支払わなかった。それで笛吹き男は130人の子供を連れ去ったというお話だ。

1284年6月26日に生じた、人口2000人の城壁都市から130人の子供が一夜にして消滅するのだ。明らかになっているのはこの事だけであって、子供達の消息は不明ということになっている。具体的な資料としては事実のあった日から100年後に口伝を書面化したものだけである。ねずみのお話は全くなく、城壁外からやってきた男子が笛を吹きならして子供を連れ去ったという記載が残っている。

丁度、ヨーロッパでは飢饉や疫病による大量死の時期と重なるので、様々な憶測が飛んでいるわけだが、子供達がその後どうなったとか、何よりも何故そんなことが起こったのか全く不明のままであるが、事実は子供が130人いなくなったという事と、今でもハーメルンの街には音楽等禁止の通りがあるくらいだから、笛吹き男は居たのかもしれない。

何が言いたいかというと、情報が正確に伝わっていかないと、社会に不信感を持たれるなということである。組織として何処に向かっているとか、事実として何が発生したとか言う事を議事録をしっかり残し、つまびらかにしていく今の機構の推進会議のやり方を堕落させては決してならないということだ。どんどん改革を進めなければならない。「報連相」がおろそかにならないようにと思った、ハーメルンの笛吹き男であった。