環境問題は何処にも無いのだという学者の方が多くいらっしゃるわけだが、学者というのは自己の学びと定量データで主張する民だから、その解釈は異なって良いのである。主観的ヒステリーで他の学者の主張を批判してはならず、批判には定量的データを伴わなければならない。政策的におかしいではないかという場合においても、その政策は何かを全面提示し、だからおかしいと言わないと喧嘩になる。
話が大きくなり過ぎたが、ブラジルの森林が人工的に燃やされて、農業用地や工業地域に換えられているという問題は、日本の森林や農地が気が付いたら大規模工場に代わっていたとか、そんなことと等価と考えると文句は言えないと思っている。地球人全体で無意識に起こしてしまった海洋の水温上昇でグレートバリアリーフのサンゴが死滅するかもしれないというほうが、大気変動にとっては深刻である。
地球に酸素をもたらした生命の営みの原点が、今もグレートバリアリーフに生息するストロマトライトを形成するサンゴ虫であることは、地球人の共有知識であることは論を待たない。それが気候変動によって死滅するかもしれないというのは、余りにも大きな出来事であり、しばらくは声を大にしてみようかなと思うのだ。ここ数年で劇的に変化している気候状況であるが、地球規模の問題であるなと感じるのだ。
石油を燃やして出てきた炭酸ガスはそのまま植物が固定化し、酸素に換えてくれるから問題無いのだと高言する学者諸氏にお伺いしたい。炭酸ガスの固定化速度と、地球大気に循環する炭酸ガスが地上からの輻射エネルギーを蓄積する速度のどちらが早いかと。その定量的な説明なく地球環境問題は全く無いのだと、間氷期にありながら氷河が減少し続け海面は上昇し、海水温が上昇を続けている今、環境問題は無いと断言できる自信は小生にはない。地球はそんな状況である。如何なる活動も省エネ化に向かう必要があると、そんな開発活動を要素技術で支援していきたいと思う私であります。