法律は大切

年がら年中、新幹線で移動を続けているわけだが、目にするのは里山が竹に呑み込まれ死にゆく姿だ。それだけではなく、密集して空気も通わなくなった中で、枯死寸前の細い樹々達である。登記されてはいるが、その主が居なくなっている場合や、ほったらかしにしている林地は多く、その免責的な問題は、空き家問題どころではない。それが日本の現状であって、何とかならないものかと思っていた。

本年度から森林経営管理法が変わり、森林の所有者に代わって、自治体や民間事業者が伐採や植林など、森林の管理を委託できるようになっている。こんな法律などだぁれも関心を持たないだろうなと残念な気持ちになるわけだが、何か、新しいお仕事を生めないものかと悩み続ける小生は、案外、法改正には敏感なのである。

その活用がほぼ絶えてしまったと言っても過言ではない我が国だが、40%が人工林の我が国において、その活用は重大事である。戦後に大規模に始まった人工林による林業であるが、現在、収穫期になっている。この収穫期までの期間がとんでもなく長いというのが難しさを加速させるわけだが、更に悲劇的な事には、40年掛かって売買される杉の木一本の買取価格は平均680円である。誰が林業に就業したいと思うか・・・

しかし、住宅のみならず、人々が集まるところ、学校など木材建造物による癒し効果は大きなものがあり、日本の気候に最も適した日本産の木材を活用した家具などは、今後も丁寧な手仕事に活用していって頂きたいと願うのである。大洪水の元凶は、荒廃した林地の保水能力低下も要因と考える。誰も知らなそうな法律ではあるが、それを活かして林地の活性化に繋がればと願うのであります。