箱物

ちょっと気になっていたので、ステアリングを握り空港に出掛けた。そこには既に墓標と化した国際展示場が何も無かったかの如くに横たわっていた。海外からの輸入に掛かる税金が要らないというのは大いなるメリットだが、そこに行くというか、島に渡る手段が名鉄と高速道路だけという他を圧倒する不便さと、一見しただけなのでわからないが、ビックサイトより小さい建屋を使うイベント感覚の無さにおいて、箱物が増えただけだなぁと思った次第。関係各位には申し訳ないが、あれはいかんね。

何が何でも中途半端。工業製品出荷高で日本一の名古屋港を有してはいるが、その他、農業産品以外で何かあるか?リニアだって何時来るか分からない。リニアを降りて1時間掛けて空港島まで行けと言うのか?それなら世界最大くらいの勢いの施設が必要だろう。今の日本に欠けているものはそこだと思う。

もう一つ感じたことには、やはり海外旅行客が減少しているなぁと。連休でありながら、普通に歩けるのですよ、空港の中を。出発ロビーを抜けてオープンデッキに進むわけですが、通常でもごみごみ感が高かったはずなのに、それがどうして普通に歩けるのです。大きな荷物を積み込んだカートを押しまくる人もあまり見かけない。これは確かに影響が出ているなと実感した。

そんな光景に出会い、国の栄枯衰勢とは一瞬の事だなと実感する。枯れて衰退の後に勢いを掴めるかということだが、かなり難しい気もする。人の意思、人の勢いは、結局は人を思いやる心が土台になるのだと思うのだが、公共の場においてもそれに出会うことは稀である。ゼロでは無いから救われるが、ほぼ、稀である。一方で千葉でのボランティア活動などは純粋だ。敬老の日を迎え、敬うとは何かを見つめてみたいと思った次第である。