羅針盤は未来

栄枯盛衰、諸行無常というと平家物語を思い出すのが、日本の国語・歴史教育の習いとは思うのだが、実際には源氏が倒れた後に政治の実権を握ったのが、平氏出身の政子なのだから、勝ったのは平氏だなと認識している。栄枯盛衰という文字面から見ると、栄えて枯れて、勢いがあって衰えると読めるわけで、栄えて勢いがあっても、いずれ枯れて衰えますよということで、恐ろしい四文字熟語があったのものだなと、常に意識している。繁栄と衰退は繰り返すということだ。

とすると、繁栄が衰退したら、再びなんらかの繁栄があるのかということだ。先日の古墳時代のお話に戻るのだが、繁栄があったのは海がそこにあり、船着き場で交易が盛んに行え、遠い土地との連携が取れ、商売を進めることが出来たからとも考えることが出来る。寒冷化がに伴って南極等の氷河が発達し、海岸線が後退した今、言っては悪いが志段味古墳群エリアが、当時の賑わいを取り戻すかというとそうでは無かろうなと言うこと。何が言いたいかと言えば、日本の半導体産業がかつての賑わいを取り戻せるかと考えるとどうなんだろうと首をひねるという事。

新聞等で東芝メモリ殿の社名変更が出ている。キオクシアという、なんだかメモリの記憶と架けましたか?と尋ねたくなる社名ににたっとしてしまったのだが、東芝メモリ殿は、元々、下火になったわけでもなく、盛衰したわけでも無いのだ。身売りされたから親御さんや学生からは倒産する企業と勘違いをされて大迷惑だろうが、2兆円の値が付く事業所が他にあるか?ということだ。価値があるのだ。その技術は価値を生み出し続けていることを誇らねばならあぬ。

ジャパンディスプレイはどうだろう。現政権が公的資金を惜しげもなく投じ、ライバルの海外企業の軍門に下った現状を見ると、う~んとうなりたくなる。技術を国で守る必要があるという判断が間違っていたかと問われると問いに窮する。これを大学運営に映すと、やはりう~んとなる。なるのだが、栄枯盛衰を繰り返すということであって、国の未来の一翼を担う工科系大学はどうあるべきか、鶴舞大学だからこその基軸は何かをぶれない意識で太く深く持ち続ける意識こそ大切だなと、舵取りは難しいと思う次第。目先で動いてはならない。肝に銘じる。