試験監督考

共通テストの監督者となったのは、かれこれ30年前だ。ということで教職30年ということなのだが、受験生がまだまだ形もない頃のお話で、随分と無駄に年齢を重ねたものだと苦笑いである。同じことを科目毎に繰り返し言うのだが、言っておかないと「言わなかったぢゃないか!」と阿鼻叫喚となりかねない昨今であるから、ひたすら機械となって話し続けるのだ。

素晴らしい働き方改革のおかげで、代休日は指定できて登録できるのだが、それを実行できるかどうかは別問題。延々と休みなく繰り返される日常に、どうやってメリハリをつけるかが個人裁量になっているというのが改革の本質かもしれない。AIにやらせることが出来ることは、全てAIに任せましょうというのがストーリーだ。AIが出来ることの範疇には給与を払いませんというのが雇い主の考え方だ。

AIスピーカーなるものを導入してみると、確かにこれは手強い。かなりのことを伝えてくれる。現状ではプライバシー云々が叫ばれるので、妙な垣根を感じるのだが、そんなものは近い将来に撤廃されて、更に時間短縮に繋がっていくことは間違いない。講義ノートをひたすら板書する先生、パワーポイントを映して話すだけの先生は現時点でも無用だが、確実にポスト削減に繋がっていくのだろう。

知財など、人間が凄まじい労力を掛けて検索などをしているが、そんなものは正にAIに任せればよろしい。人間側は、必要なキーワードの抽出を成せば良く、知財の価値を明確に差別化させるところを人間がやり、その他は機械任せになるのが良い。間違いなく賢くなれる。そんなことを思いながら、二日間、それこそ「AIスピーカーとロボットにやらせれば良いのに」と苦笑いさせられた。そんな土日であった。