寒い

立ち止まって振り仰げば、冬の空が広がっている。明け方、快晴で星がきらめく世界だが、地下鉄を降りると、白々と、そして色が見えてくる。そんな冷たい季節である。実に寒い。突然に寒い。ラニーニャだのなんだのと言った仕返しでは無かろうが、えらく空気が冷たいではないか。冬とはいえ、そんなに地球も頑張らんでよろしいと、まぁ、のんびりやろうやと地球に向かって語り掛けたくもなる。

のんびりと過ごしたい。何をどこで過ごしたいのか分からないが、そんな気分になる師走である。つい先日「師走である」と宣言したのがいけないというわけではなかろうが、やたらとアポブックが詰まってくる。寄り切って本部棟の勝ちみたいな、上書きでアポが変わってくるものだから、今日、何があるかなんて考えることすら無駄な季節だ。その中にあっても授業だけは不動の位置を占めている。これを基軸に一週間を過ごすことになる。

ついこの間まで感じていた「暑い」という感覚も、完全にどっかに飛んで行ってしまった。銀杏もほぼほぼ葉を落として、寒さの彩り満点である。この季節のみに現れるマフラーという存在を有難いと感じる。高校生の頃、山手線のドアにマフラーを挟まれて、首を引きずられてお亡くなりになられた高校生を思い出すと、マフラーが怖くなる小生なのだが、寒さにむきになって対決する必要は全く無いので、暖かいものに巻かれてしまう。それでも今朝などはほっぺたが冷たくなって「あぁ、水回りの大掃除を終えていて良かったなぁ」と、アリ状態はやっぱり良いものだと、こつこつと毎日、何かを成し遂げることこそ人生だなと実感する。

大袈裟な話だが、楽しくも無いのに笑わないといけない毎日が飛ぶように過ぎていく。どっかの名工大産の町長が有罪判決を受けたが、結局のところ、暗い世界には何かが潜んでいるということだ。暗闇に慣れると、その中の世界の住人がひたひたとやってくる。それに対抗していくためには常に明るくしてしまえば良い。そうしていれば悲しくなくても涙が流れるような感動が心を揺らしてくれる。やったらと朝が寒い。ついつい早歩きになる。それに気付いたら、ふと立ち止まって見渡すと冬薔薇。凛と輝くその姿に、かくあるべしと自らを省みる私であります。