賢治には成れず

愛知県内の感染者が、突然、53人になりましたな。重症にならないとか、致死率が低いとか、だから安心せよ、騒ぐのは愚か者だと、不可思議な学者さんが叫んでいるが、後遺症も不可解で、突然変異の怪物相手に、恐怖して警戒することが正しいと小生は思う。ただ、恐怖だからとて、やけっぱちになるような愚か者でもない。情報を精査して、取るべき対応を取る。それだけのことだ。前後左右を岩に塞がれて、迷子になったと勘違いする山中を歩くようだ。答えはそこにある。冷静になることだ。

この冷静というのが難しくて、そもそも冷製な状態ってどんな状態なんでしょうね。呼吸も脈も清浄で落ち着いていることが冷静なのか?そうは思わない。危機的状態でパニックに陥りそうになりながらも、生き残って、その時に取った行動を考えると、それはきっと冷静だったに違いないのだ。後になって、あの時が生死を分けた行動だったなと思い起こしてみて、その時の決断をした状況が冷静だったのだと、気がついたら崖の下に居たりして、何故か、そこから脱出出来ていたりして。まぁ、人生はそんなもんだ。

GoToキャンペーンがいよいよ開始されるわけで、不要不急の外出を避けろと言われても、まぁ、一旦、タガが外れた人達が冷静になって正しい判断を成せるかどうか疑問である。自分以外の人間が居ると、意識が発散するからね。役員室と呼ばれるところがひとりぼっちになるように出来ているのは、恐らくだけれど、冷静な、いや、冷徹なジャッジを引き出すためなのではと考えている。

雨ニモマケズと偉大なる賢治は書き残したが、そういう人になりたいと小生も思うが、とてもではないが、偉人には成れないし、成るつもりもない。いつもヘラヘラ笑うことは出来るが、ニコニコは難しい。すれ違う人、そこにある空気の中にウイルスがごちゃまんと居て、何時、呼吸困難になるか解らない。それはそうなのだが、それでも冷静でないといけないのだ。成すべきことを淡々とこなす。それしか無いのだ。如何なる状況に追い込まれようとも、最善を尽くす。それだけのことである。そんなもんだ。