グリーンピース考

昭和30年代において、いちごのショートケーキをイメージして登場した、肉団子の上のグリーンピース。シュウマイに昇華して、平成に入るとほぼその座を失った。崎陽軒さんによれば、グリーンピースを肉に混入すると混ざりやすいから入れたということだそうで、伝統メーカーの入れ方とのバッティングがいろいろあったのでしょうが、グリーンピースが天辺に乗せて、シュウマイとはグリーンピースのピンポイントがある食べ物だという座を得たようである。

どうでも良いかもしれないけれど、昔当たり前にあったけど、今、マーケットでなかなか見かけないなぁと思ったグリーンピースである。水炊きみたいな缶詰があったりするのだが、気味が悪いので買わない。その昔、鞘のまま売られていたのだ。母親と共に鞘から取り出して食したのだ。ひょっとするとその親子の薄かった縁を断ち切るためにスナップエンドウとかが出てきたのか?皆で何かをするという活動を、お一人さま向けに改良していった結果、グリーンピースは消滅したのか?

いやいや、消滅したのではない。その当時から、給食では不人気の第一人者であった気もするのだ。小生においても好物の部類ではなかったが、別に嫌では無かった。グリーンピースご飯などはご馳走の部類であった。それが見事に消滅しているのだ。面倒なことは無くなっていく。それはそうなのだが、それで良いのか?季節は違うが、筍だって、皮のまんま売られていて、それを剥いて灰汁出しをして、それから食するという手間があったわけだが、それすら失われつつある。

新鮮さを保つための出荷体制であったと思うのだが、購買層がそれを望まないと言うか、美味しさを知らないと言うか、そういう育ち方をしていると、文化そのものが失われて、作り手の農家さんも「やってらんねぇや」ってなるのではないか?ぶどうだって種があった。それがジベ処理で消え去った。人の都合で変わっていく。10年後のマーケットはどうなっているのだろう。リモートワークで出来た通勤時間の余剰をキッチンで使っては如何か?そんな気がしたシュウマイとグリーンピースの関係である。