出張に想う

ほんの少しだけですが、平準化に向かっているのかなと自ら感じる。天竜浜名湖線のジャングルクルーズ感は凄まじい。路肩と言うか谷間の雑草に体当たりしながら進む勇姿である。コストダウンの極みの姿と言って良いだろう。車内は綺麗で、ついさっきまで速さを威張っていた新快速の汚染感など全くなく、車窓からの浜名湖のなんとも地中海気分。どどっとご老体の皆様がマスクもせずに大挙して乗り込んできたのには辟易したが、一駅でこちらが下車したので後は知らない。

元来、浜名湖は超えないという約束事は破ってはいない。ギリギリのラインでとどまっているところが面白い。ホテルであるが、これがGoToのせいか超満員。半年前から決まっていた国のお仕事なので宿泊できたが、普通の出張気分でいたらそれは無理であったろう。急けんの皆様の遊び力は凄いなぁと感心するばかり。恐ろしくなって部屋にそそくさと閉じこもるばかりである。

表に出ると言ってもお昼に出て翌日のお昼には戻るという、まぁ良くあるパターンであって、ひたすらにお仕事だけをこなしていく。当たり前の状況が久し振りに目の前に戻ったなというところ。で、前日の出張の準備に手こずること。いろんなものをキット化して、会議ならこれ、講演ならこれみたいなながれにパッケージ化していたわけだが、この9カ月でその出張「勘」はどこかに行ってしまいてんてこ舞いであった。

なにはともあれ移動は有難い。孤独、孤立になれる清々しさということか。様々な思考が巡り、血液がいきわたる感触が有難い。しかし、しかしだ、この移動と言うものはやっぱりもう要らないものの代表選手でば無いのか?狭い日本だからいつまでも続けているが、世界の孤児の活動様式では無いのか。久し振りであるが故に、過去の行動に疑いを持つことが出来た。そんなもんだ。