これが出来ないかとか、お金は何処かに落ちていないかとのお尋ねをしょっちゅう受ける。これが出来ないかはまだましで、お金を努力せずに獲得したいという願望をぶつけてこられるのには辟易だ。同じものを作っていたら将来が無さそうだから、取り敢えず機械を買いたいからお金が欲しい、欲しいからあぶく銭が欲しいという。コロナ禍でそんな企業に国がばらまくから、市場からロレックスが消えたというのは本当のお話。日本の民度はそんなもんだ。
現行商品よりもちょっと能力が高いものくらいであれば、もう、日本で作る必要は無い。海外からそれなりの価格の物を購入すれば宜しい。国も、関税で差別化しようなんて考えず、どんどん導入して、挑戦者が学ぶ機会を作るのが宜しい。図抜けたものは国内で購入する人は皆無だから、海外の挑戦者に買って頂くしかない。それなりの政府機関があるから、それを活用すれば宜しい。覚悟と挑戦が必要だ。あぶく銭で出来ることなど何もない。
燃料電池にしろ半導体製造機器にしろ、既にその精度はナノメートルに達している。数メートルもある機械の先端が、ナノメートルオーダーで動いて、物の形を変えていくのだ。恐ろしい時代である。それが当たり前の世界になっているのに、日本は何処に向かっていくというのか。幸い、IoT機器が全く広がっていない状況だったから、その関連企業は実入りがあるが、それもいつまでも続くわけでは無い。
こんなものにこんな加工が必要か?というものが求められる。必要なのだ。精密さは上がってしまったら、もう元には戻らない。オーバースペックでは無い場所は沢山あるのだ。マジックで書いたインクの厚さだけ削り取るなんて当たりまえ。物質表面そのものが機能を発揮しだす。その表面を作り込む要素技術に見向きもしない人達の何と多い事か。熱膨張があるから意味がないと直ぐに言う。キノコだって0.1℃の温度管理で育てる時代だ。今年のJIMTOFは幸いにオンライン。楽しみである。