かなり古いが、2018年6月に内閣府から出された「知的財産戦略ビジョン」に『価値デザイン社会』という文言があり、2030年にはそうなっていたいということが述べられている。夢×技術×デザイン=未来とあり、なんだかなぁと安直さに苦笑いである。大切なのは何を実践するためにどのように学ぶか?学びながら実践にどう結び付けるかとは異なる。勘違いをして頂きたくない。目的があるから学ぶというのでは「文芸者」。文化に触れ、それを「芸」として人に伝えることが明日の工学者であって、今の工学者は学者である必要は無い。常に考えているから学ぶことが出来る。それが言いたい。別に何も理解して頂く必要は無い。例によって戯言だからね。
加えて古いお話で恐縮だが、まだ松の内だから許して頂こう。今年の駅伝競走には深く、強く、学ばせて頂いた。思い出すと『未来/夢=技術×デザイン』というのは、なんとなくだが当たっていそうな気がしたのだ。人それぞれの受け止め方があろうが、常日頃思っていたことが形になるとこうなるのだなと、勝手に受け止めさせて頂いた。勝負事である。どんな気合も、相手が上回ればそれまでのことである。しかし、200kmを超えるレースで、10人が戦い、それをバックヤードがどう支えるか。伝統とは何か、歴史とは何か、時代とは何か。奥深い。
もう一つ、眺めていて気になったのが先頭を走る白バイ。海外製のオートバイが日本最強の大学駅伝レースを先導する。排気ガスを出さない仕掛けである。随分前からそうなれば良いのにと思っていたが、漸く、それが実践された。ホンダ車によれば興味が無いそうだが、CO2排出ゼロを目指すと政府が言っても、企業がそれを実践する気が無いと、要は、海外に頼るかということになる。
技術があるとか売れるとか、そんなことではなかろう。みんなで地球の生末を考える。次世代に繋いでいく。その実践レースにおいて、国内企業の車両が先頭に立てない。この国のあり様を恥ずかしく、惨めに感じた。作ろうと思えば作れる?本当か?日本人は減少していく。間違いない。この国で売れないから作らない?世界に技術を広めないのか?そうであれば世界と技術を競う企業に立ち上がって頂きたい。そんなベンチャースピリッツを持った若手を応援したい。そう思った。1年生、2年生が多く活躍した二日間。学ばせて頂いた。感謝である。