人口減少

ふと気が付くと朝が明るくなっている。真っ暗な朝が既に明るく感じるようになっている。確実に冬を越えたのだなと感じる。寒さはまたぶり返すらしいが、今朝は数日前の刺すような寒さを感じない。今年はどんな夏になるのだろうかと、気の早いこと甚だしい。つい先日、お正月だったのに、もう2月である。カレンダーをめくらなければならない。カレンダーを眺めたら、2月12日はお休みだ。なんだか有難い。買って読めていない本が山積みだ。静かな読書としゃれこもう。

日本中、至る所に歴史を体験できるところがあって愉快である。府中でお仕事をしてきたのだが、先週の大雪での新幹線の遅れにびびって、1時間前倒しにしたらすんなりと到着だ。まぁ、有難いのだが、折角、時間が出来たので、以前から気になっていた大國魂神社なるところに参拝をさせて頂いてきた。1900年の歴史を刻む、111年創建の古いお社だ。建物そのものは4代将軍の代に出来たそうで、文化財に指定されている。武蔵野の森が残り、大木が数多い。

前九年の役で有名な八幡太郎義家がこの地でお参りし、その結果、大勝したということで(諸説あるが、それは無視)欅の並木を奉納したそうだが、ここが武蔵野国の中心地だったのだなと思うと、新宿からえっちらほっちら電車に揺られてやってくる遥か彼方なのだが、実はこっとがその昔は中心地だ。大國魂神社からは品川や新宿の方向に一間程の古道が残っていて、これが大変に愉快である。名古屋と言えば旧鎌倉街道だが、東京だと様々な旧街道が残存して驚かされる。

何しにそんなところということはどうでも良くて、大國魂神社を擁する府中なのだが、デパートなどは廃業寸前の状態らしく、大会社の凋落によって町がゴーストタウン化してきているとのこと。確かに駅で乗り降りする方が妙に少なく感じた。調布や八王子のほうが随分と賑わっている。中心地のみが活況で、その周辺が欠けてくる逆ドーナツ化現象。噂では聞いていたが体感出来るとは思っていなかった。日本全体の人口は間違いなく減っているのだと、大混雑の東京だからこそ実感できる、そんなことを思いながら、終電近くに戻ってきた私であります。