やっぱり三方良し

本棚の近江商人関連の本を眺めて、改めて三方良しに納得する。仏教的にも自らの修行で得た功徳を自分で受け取り、そして他の為にも仏法の利益を図るという自利利他があり、それを公私一如を加えると住友社の事業精神になるわけですが、近江商人の家系からの社是ということで納得する。自分が利益を得る、そして相手も利益が出る、すると社会にも利益が広がる。そうでなければならない。組織改革の根幹もそういうことだろう。自分の利益だけを追求すると、それは実現してはならない。

言葉で言うと簡単な三方良しだけれど、実際にそれを達成しようとすると難儀である。往々にして古き文化に引っ張られる。過去の因習を断ち切るのに随分と時間が掛かるとかね、変革する気の無い改革案の先頭に出てくる言い訳だ。凄まじい勢いで進化し続ける世界の中で、5年を超えるスパンで改革をしようってどんな発想なのだろう?声の大きい方のご退場を待つというのも常套手段だが、それを守り続ける組織の前途は極めて多難だ。

外回りでちょっと気になるお話を伺った。ポストコロナという美辞麗句?で、対面営業に戻すことをしない、諦めの営業になっていると。お会いして説明をという申し出が、70%の出勤削減をミッションと政府が指定しているから会えませんと言われる。成る程、三方良しの構図を、コロナ禍を理由に壊しているということですな。双方の良さを理解せず、社会良しとなる筈がない。

コロナ禍がいつ終わるか分からないが、PCR検査証明やワクチン接種証明があれば動き回る免罪符となりつつある。それで良いのか?もう、そこまで行って良いのか?激しいしっぺ返しは無いのか?いつまでもびくびくするなと言われるが、やっぱり病は恐ろしいのだ。それは恥ずかしい事では無い。お互いを認め合い尊敬しあう。だからその周りは美しい世界になる。三方良し。これからもそれが良い。