スタートアップ支援とかね、いろんなところで行われているわけですな。自動車産業の衰退という国家的危機をそれだけで打破できるわけは無いのだが、誰もが起業して走りながら挑戦することは悪い事では無い。唯一無二で世界で図抜けた技術やサービスだと思ったら、手を挙げるべきだ。支援がどれだけの仕組みとなっているのかは難しい処なんだけど、経験者が加わって頂けるのは心強いですよ、それは間違いない。そして「走りながら」というのがポイントだなと、手前味噌でそう実感する。
最初は本当に研究要素開発から出発するんだけど、100個同じものが必要だとなると、技術をラインに乗せるにはどうすればと考える。自動化ということなんだけど、それはそんなに簡単ではない。そもそも資金はどうすんだ?そこで支援をお願いするお作法を学ぶことになる。エンジェルはそうそう飛んでいらっしゃるわけではないので、手繰り寄せないといけない。手繰り寄せながらも、要素技術を生産技術に昇華させていく。この具合も難しい。目の前にある機械などに手を出し気味だが、そこは頂点に手を出さないといけない。頂点を越えるのに「90%まではお金で何とかして、残りは根性で!」なんて駄目に決まっている。満額くれない科学研究費補助金みたいなもんだ。
なんとか次のステップまで行くと、漸く、登るべき坂道が見えてくる。お金と気合と根性と知恵と知識を総動員して孤立無援で奮闘するわけだ。これは良い。とても精神的に活力が湧いてくる。国際共著論文を増やすことが我が国の研究のプレゼンスを上げる為に重要だ!と文科省は叫んだが、逆に落ちてしまったわけだ。これなどは「お金」は出さないけど突撃しろってそりゃぁ無理だな。スタートアップにしても同じことだ。実弾は必要なのだ。
ソフトウエア開発と違って、モノづくりにおいては「生産ライン」の開発だし、研究室レベルでチャンピオンデータを1回出して論文を出し逃げするのとは訳が違う。自分で自分の成果を実証するわけだから、自動化出来るかどうかは生き死にに直結する。自分自信をロボットに置き換えるわけで、機械がデジタルツインとして動き出すわけだ。自分ならもうちょっとこう出来るのにという発想は「逃げ」でしかない。カンコツがモノを言うと神格化するが、神様が地上にいらっしゃる限りはビジネスにはならない。価値を学術・技術に落とし込み、それを具現化する。歯の食いしばりと血の滲み。耐えられないなら止めた方が良い。そんなもんだ。