怪談?

結局それをやるのねというのがトリチウムの海水放出。原発冷却水には必ず含まれていて、世界中で海洋放出をしているわけだが、高濃度含トリチウム水の保管という点において世界最高濃度では無かろうか、福島原発跡地。一方で、石炭火力を延命させたいと、アンモニアと共に燃焼させようとか、小手先の技術で逃げようだとか、これだけの事故を発生させておいて「これからもメインは原発だ」とかね。何処まで新規科学技術開発に後ろ向きなのだろう、この国。世界に対する次世代半導体のプレゼンスを向上させよう!って準備しているお金が10億円とかね。LSI製造装置を1台も買えない金額で国民を欺く。

エネルギー危機なんて今に始まったことでは無い。核融合という究極の技術開発に向けて世界が鎬を削っているわけで、我が国にも土岐市に核融合科学研究所があって、世界トップレベルの成果を出していらっしゃる。燃料としてトリチウムが必要なわけで、原発があんなことになってしまった時に、未来投資で核融合研を移転して、無限に生み出されるトリチウムを活用して電気エネルギーを無限に作り出す象徴にすれば良いのにと思ったのだが、結局のところ、海洋放出ということになるらしい。

海水の中のトリチウム濃度がどれだけ増えると何がどうなるのかという研究など見当たらず、ミクロ水生生物のDNAがどれだけ変容して、それが食物連鎖で他の生物にどのように影響していくのか。1980年代から叫ばれてきては「嘘つき」呼ばわりされてきた人為的地球温暖化だって、30年以上の精緻なデータの積み重ねで、漸く「まぁ、そういうことにしておくか」という共通認識までに至ったわけで、永久凍土が溶け出すとか、グリーンランドの氷床が激減するとか、そんな状態になっても「経済活動」が絡むと「生きている間には悪影響は無かろう」という方々が利権を手放さず、手遅れになるわけだな。

トリチウム水の大量継続排出においても、基準濃度以下だから大丈夫ということなんだけど、それは人間が決めた基準であって、もう一つ、質量保存の法則って奴があって、放出したトリチウムの総量が半減期12年ではあるが、海洋中にどんどん溜まるわけだ。時には雨に混じって降ってくることもあろう。確率論だが酸性雨どころの騒ぎではない。人間が勝手に決めた、自然界では有り得ない基準に適合しているから大丈夫という理屈で全てが進んでいく。方や、教育にはお金を出し渋る国。貧弱なネットワーク、IT機器とリテラシー。夏らしくお寒い怪談話だ。