破壊的イノベーション

破壊的イノベーションは起こらない。随分と前になるが、有機ELパネルの基本技術は日本発のものが多いのだが、大小パネルを量産化して市場に送り出したのは韓国企業である。私はそう思っている。当時、K山品質とかね、妙に神格化した商売が出てきて、巨額の設備投資をした後で、そのラインの減価償却が終わるまでは有機ELテレビに手を出せないとなり、もう二度と浮かび上がることの無い淵に落ち込んだ。自社の都合は大切なのだが、そこから生まれる古臭い商品を掴まされる身になっていない。自己都合の利己主義がこの国の常套手段だ。

ノーベル賞という水物はどうなるか予測しかねるが、ペロブスカイト太陽電池という日本研究者発信の発明があるわけだが、これも海外では量産化、そして販売が始まっている。日本では4年後だそうだ。これも先の事例と同様に、今の太陽電池製造の設備投資の減価償却を待っているからという事では無いのか?市場が求める、薄暗くても発電し、軽く、曲げられてなどの特徴を使った製品が出てこないのは何故か?共同研究開発費をけちっているのか?海外では日本人開発者をリスペクトして、しっかりとしたものづくりを脱炭素社会実現のために行っているのだが、日本では蚊帳の外である。

お上は「大学は日本の産業発展に何の貢献もしていない!」とどんどんお金を減らしていく。そりゃぁ、社会保障費が高齢化と少子化でどんどん減っていくわけだから、原資が無いなら切れるところから切ろうとなれば教育費なんでしょうね、この国では。ただ、産業活用する気が無い企業に対しても何か言ったらどうなんだ?目に見える、観光、飲食業界のネタは、マスコミも分かり易いし、浪花節的に便利なんでしょうけれど、外貨獲得、税収アップに繋がるモノづくり企業の、最新技術の活用とかね、そんなネタをマスコミから聞いたことが無い。プライベートコミュニケーションだけである。

自動運転になったら、輸送業は良いけれど、タクシー運転手さんが仕事が無くなるからダメとかね。ロボットが頑張ると職を失うとかね。本当か?人間、そこまで愚かしくないぞ。新しい知恵の創造で社会貢献し続ける意欲を失うと、ロボットや自動運転が恐怖の伝道師に映るんでしょうね。百年一日の如くの講義展開の教師などは真っ先に不要となるのでしょう。常に考え、新しい試みと失敗を重ね、より良くしようと努力される人に溢れた日本でありたいなぁと。結局は教育は百年の計。百年後かなぁと思いつつ、何とかしなければとあがき続ける私であります。