経済協力開発機構、いわゆるOECDなんだけど、GDPって結局、国民の心の豊かさを測れていないでしょ、そんな指標を「より良い暮らし指標」なるもので評価したいと仰っていて、Better Life Index(より良い暮らし指標:BLI)として纏めていらっしゃる。これが面白いのは国同士の比較というよりも、その国において、国民が自分で「幸福とは何か」を自ら考えるきっかけ創りのツールの立ち位置で示していること。
細かいことは語りませんが、興味が湧いた方はWebページをご覧になって頂ければと思います。主観的な幸福という点においては10点満点で5.9となっていて、概ね幸福感を御持ちなのだなと、少し安心した次第。だれに聞いたかということにも依存しますけどね。ただ、平均寿命が84歳程度であるのに対し、自分の健康に自信がある方は35%しかいらっしゃらない。このあたり、コロナ禍対策で露呈している医療の様々な問題が関係しているのかなと思ったりもします。
新聞やTVなどのマスメディアにおいては絶好調の現政権なんだけど、投票率と政府の行動に言い分があると感じている数の多さという点においては、統計を取った37か国の下位1/3に入っている。どんな統計を信じるのかということなんだけど、面白い結果だなと眺めています。夜に出歩いても安心な国という点においても71%の方がそうだと仰る。まぁ、その点に関しては他国に比べてそうかもしれないとは思う。
他にも真の進歩指標(GPI:Genuine Progress Indicator)なんてものがあって、ボランティア活動や家事・育児のようにGDPには反映されないけれど、家庭や社会の豊かさに貢献している筈のものを組み入れています。環境汚染や原発事故などは当然、豊かさの損失として減算される方向で評価されます。ちょっと古いけど、平成22年に纏められた兵庫県GPIの試算は「成る程・・」と考えさせられる内容となっていて、日本とするとGDPよりもGPIの質向上に向かった方が良いのでは無いかなどと思ってしまう。ついついGDPばかりに走りがちなんだけど、世の中にはちゃんと考えていてくれる人が居て、世界の知恵を拝借すると、新しい見方がいろいろ出来て愉快だなと思う次第。世界を俯瞰するべし。当然だけど。