あぁ高度人財

ご興味の無い方が圧倒的に多い、半導体国際学会ISSCCの第69回大会が行われます。半導体関連企業の方が多く論文投稿をされまして、その量・質の高さから、半導体業界の世界選手権みたいな言われ方をします。最先端のリアルな加工プロセスと動作を伴った発表なので、大学の研究室のすみっこだけで実現しているというレベルでは無い。まぁ、とんでもなくウルトラということでは無いのだが、実現していてお試し使い可能なレベルと言ったら良いかな?

案の定なんだけど、日本は一人負け状態。いろんなことを考えさせられます。1983年に半導体摩擦で、日本チームが米国から叩かれたわけだけど、その時、遠慮などせずにずんどこ資金と人を投入していたら、昨今の国内調達出来ません状態にはなっていなかった可能性があるように思う。奥歯にものが詰まった言い方になったのは、まぁ、それだけでは無いわなと思うところもあるから。

やっぱり博士人材が社会の中に圧倒的に少ないのはおかしいと思うのですよ。博士号を取得した者からの意見では研究者の環境改善と博士後期課程での給与支給を求める声。あと、プライベートはお話とすると『修士で卒業した者が博士を卒業した後に上司として配置され、やっていられない感満載になった。知識も知恵も、それを活かす術も遥かに上なのに、バカの奴隷にされ、更に給与も低い』。これが日本の現状で、バカの壁が立ちはだかっている。

博士課程出身者は使いにくいと企業の方は仰るが、使いこなせないだけでしょ?既にそのお企業は世界から取り残されて、外貨獲得による国の利益向上に参加できていないお企業だということだ。博士を育てる大学の責任も極めて大きい。指導教員が自己満足に陥らず、世界を俯瞰できる能力をきちんと身に着けさせることが出来たのか?産業界と学界のより強固な連携で、産業技術の知恵を共創できる仕組みを作りたい。そう思っている。