結果と成果

喫緊の課題と言ったらどの程度のスピード感なのだろう。猛烈な勢いで動いている世の中で、ミクロな振動は無視するとして、マクロなうねりを様々な兼業の中で創り込んでいかねばならぬ時、ルールはルールと言われてもより良く改善と思った時、それが門前払いされる。教育は国の根幹、礎であるから、それを受け、将来を担う若者に託すべき最高の物語を(今、出来るということだけなのだが)送ろうと考えても、それは知らないと言う。高い意識を持った人間が大学を作り私学と名乗るわけだなと思った。

研究と開発は全く異なる。開発におけるエビデンスが研究によってもたらされるわけだが、そこにはマネタイズシナリオなど無いのだ。一方、国が地方大学に働き掛けているのは成果を出せる人を創れということ。特に国立大学法人教員は研究によって自然の作り出した神秘にアプローチしているわけで、得るのは結果。成果ではない。製品開発に求められるのは成果。この両方を会得している人間は数少ない。300名あたり1,2名だろう。そんなところで開発云々はいかん。

小生の親分が仰って記憶に刻まれていることの一つに、就職したら友人同士でも腹を割って話せない。しかし、研究室の同窓生だけはちゃう。ここで話して腑に落として口から出ないようにして、そして解散すれば良いと。同業他社に相談などできるはずも無いが、異業種間交流であれば、まぁ、これとて気をつけねばならないのだが、こんなことが出来ているという会話同士から、新しい気付きを得ることができるかもしれない。産学官金連携機構が行っている、他分野ワークショップは正にその実践である。4月以降も開催するので、是非ご参加頂きたい。有料講座にして運営していかないといけなくなるかもしれないので事前告知。

大学で開発者の種として伝達できることは、学科という学問分野の壁を取り払って、横断的なOJTを実践することだろうと考えている。その中において知財も含めてマネタイズまで教授しようとするわけだが、うまくいくかどうかは分からない。その段取り中で様々なことが起こるので、ひっくり返そうかなと思っている私であります。