リカレントやリスキリングという海外では当たり前のことが、我が国ではほとんど行われないのは何故だろう。何故だろうと思って、何社かのそれなりのお立場の方に尋ねてみると、リカレントなどに出ていくと、新しい人脈が出来て、転職されてしまうとか、知識を増やしても活用する部署が無いとか、なんだとかかんだとか。知識を増やして逃げていくのが嫌だとか、上司として博士の学位を取られると指示を出しにくいとか不思議なことを仰る。日本の先行きは暗いなと思ってしまいますよ。
お聴きしていると、企業内に人を呼んでコーチングするという事はOKだけれど、時間と金を掛けて大学で新規知識を増やすのは駄目だと。学ぶ意欲があるのであれば、それは時間外で勝手にやれと言うことだ。全てのお会社がそんな状況では無いと思うのだが、親方が叫んでいる「リカレント・リスキリングに地方大学は貢献せよ」ということと、ステークホルダの意見は全くことなるのだなと実感する。
新規開発案件で企業に無い技術を大学と開発するのは良くて、開発スキルを身に着けるためのリスキリングは駄目だというのはさっぱり解らない。キャリアアップの機会を作ると、新たなポストを作らないといけないとか、不可思議なお話が噴き出してくる。能力に見合った給料は払わない、活躍しても、能力が高くなってもそれに見合う給料は払いたくない。そんな国の貨幣価値が上がる筈はないなと苦笑いしている。
徹底的に良いものを作っていくというスモールビジネスが成立しない我が国と、そのビジネスストーリーで労働効率を高める方向に向かう諸外国。いろんな利益の上げ方があって良いのだが、身内を疲弊させてまで、薄利多売をしては駄目だ。貨幣価値が下がって国内物価が上がる筈の処を妙な補助金や顧客に転嫁できないとか、参院選挙前対策なんだろうけど、国民も降ってくる飴ばかりを期待している。学びを持って進む国であって欲しい。本気でそう思っている。そう行動していく。