基本、オタクでなければならないと思っている。オタクだけが世界を変えていく。オタクは変化を恐れず、新奇が大好きである。思いついたら実行しないと気が済まない。それが素晴らしい。中途半端は絶対にダメで、他人に認められようなんて考える必要は全くない。とってもつまらないお話なのだが、3台のディスプレーを縦置きして並べて、A4ファイルを拡大して1面に投影して喜んでいた時代があった。1台、調子がおかしくなったころに4Kディスプレーの価格が下がってきたので、54インチの4Kディスプレーを使い出したら、これが快適で後戻りできなくなっている。
小さいディスプレーは趣味的に面白いのだが、小生的には巨大投影が楽しくて使い始めたのだが、多くの方が同様の方向に向かったので、最近ではそのこだわりは小さくなってきた。オタクの終焉は大衆化とともにやってくるわけで、次のオタク道を探さねばならぬ。PCが文房具化してしまったし、小生はゲームなどはしないので、PC道楽はしなくなってしまった。今では壊れなくて、そこそこ速い機械であれば何でも良いと思っている。最新のOSが使えなくなったら買い替えるくらいのものだ。
研究的には平坦オタクで、平らな面が3面集まった、尖がった金属棒を作るのが面白い。アルミや鉄では無くて、かっちんかちんのタングステンカーバイド粒子をコバルトで固めた超硬合金と呼ばれる棒を尖らせては、それを使って加工するオタクになっている。なかなか満足するものが出来ないのが面白いのだ。やりました、はい出来ましたということではオタク道とは言えない。何をやっても上手く行かないくらいが良いのだ。ノウハウが溜まって来てだんだんとゴールが見えてくるのだが、近づいては遠のくゴールを目指すのが良い。正しいオタク道である。
日本には精神文化的な「道」という概念があるわけだが、そんな崇高なものは遥か彼方の皆さんに頑張って頂ければ良くて、ディスプレーを縦置きして喜ぶくらいの感覚が良い。一点豪華主義で「何が何でも成し遂げてやる!」みたいに頑張れるものを見つけると、これがこの上なく楽しいのだ。お金があったら実現できるなんてものはオタク道ではない。執念が無ければ達成できないレベル感が良いのだ。単結晶やアモルファスのような均質なものだと出来てしまうのだが、地球上でもっとも硬い金属が単結晶化して、あっちこっち向いていて、そろっていない硬さなんだけど、その面を合せて平面化していく。更に尖らせる。簡単なようで極めて難しい。後少しと思いながらも数年が経過した。オタク道は険しく長い。それが楽しい。そんなもんだ。