サポート考

2021年の統計なのだけど、海外から日本の大学に留学して学んでいらっしゃる方は、大略24万人強なのだそうだ(文科省資料)。これはコロナ禍の影響で、オンライン留学の学生さんも含まれるが、それは全体の9.1%だそうで、多くは住み慣れた家から遠く離れた地で学んでいらっしゃるということだ。同年の我が国の大学生総数(留学生を含む)が263万人だから、約1割の方が留学生であるわけで、多くの海外の友人を持てるチャンスが双方にあって素晴らしい事だと感じる。羨ましい限りである。

コロナ禍の型が感染力が高いと言われるBA.5型に置き換わって来て、8月中頃には置き換わるという。異国の地で、感染された留学生は全国で大勢いらっしゃることだろう。その中にはワクチン接種においても不如意で、接種せずに感染し、重篤になった方もいらっしゃるかもしれない。その点においては各大学で十分なサポートが必要であろう。ただ、そのサポートを何処まで各大学が受け持つのかと言うところは難しい処だ。

留学生が滞在するための宿舎において、陽性と認定された学生さんを、保健所職員でも無い、ましてや医療機関の者でもない大学職員がその場まで出向いてサポートすることなど言語道断と考える。その対応次第に依っては、二次感染による事務機構の崩壊を招くわけだ。患者の安心最大化を目指すことを否定するのではない。きちんとお金を掛けて、プロに委託する範疇では無いのか。それは国が補助するべきでは無いのかと言いたい。

日本から海外へ学びに行く者、そして海外から日本に来て頂ける者は、将来の宝であることは間違いない。我が国の文化、思考を知って頂く者、伝えて頂ける者の増大は、平和外交の根幹である。ミサイルが飛んでくるからと、憲法を改正して、予算的にも軍備増強と叫ぶ前に、人的交流で平和を長期に目指すところに税金を投下するという考えに至らないのか。短期的には止むを得ないところはあるのかもしれない。しかし、政治は長期的展望が大切である。そう思っている。