年輪

昨日、卒業式だったのですが、名工大、随分と晴やかになりましたな。小生が名工大に初めて訪れたのは平成4年だったからかれこれ26年も昔。2号館の前身の建物を撤去し、だだっ広い空き地が広がっていた。その頃「男子校かここは?」と思ったことを覚えている。ガマの油売り大学には教員養成ということもあったけど、女子がわんさかいらっしゃって、その差が激しかったせいもある。

灰色装束一色の男子も、それはそれで凛々しいが、壇上からだと暗闇で何も分からない。その中で大輪の牡丹の花の如くの着物姿、諸外国の民族衣装はそれはそれは美しく、見目麗しいではないか。きょろきょろするわけにいかないところに座らされているので隅々まで眺めたわけでは無いけれど、視線の範囲にどれだけいらっしゃったか。まぁ、一人でも10人分ぐらいに見えちゃうから、大勢いらっしゃったように感じただけかも知れない。

自分の頃を思い出そうと、帰りの桜並木で頑張ったのだけれど、特に4年生の卒業式はほぼほぼ覚えていない。自分のボスが確か学類長(まぁ、学部長ですな)だったから、段の上にいらっしゃって、凄いなぁとそれだけは覚えているのです。5年一貫の大学院だったから、2年目の修士などは課程長のお部屋に行って修士号を頂くのだが、「机の上にあるから持ってって、冷蔵庫にビールがあるよ」と素っ気ない事この上なし。

博士号の時は、総長が謝恩会で「○×▽□!!!」(とても書けません)と気炎を上げていらっしゃったことだけははっきりと覚えている。強烈なことだけは覚えているのだなと苦笑い。まぁ、そんなものなのかもしれない。毎日毎日、恐ろしい程に行事があり、それこそ一週間前のことなど何も覚えていない。突き進むのみである。卒業式という節目も、年輪の一輪に過ぎないのだけれど、でも頑張った証として写真でも見返そうかなと、ちょっとは人間らしいところもあるなと苦笑いの私であります。