予想は厳しめに

最近の天気予報は計算機の能力が高まったから、かなりの確率で当たるよねなんて暢気な事を言ったのだが、今、太平洋上にいらっしゃる11号殿はちょっと面白い事になっている。熱帯低気圧が台風になって、西寄りの進路に向かうというところまでは世界各国の予想はほぼ一緒なのだが、その先の進路予想が紀伊水道目掛けて北上と言うものから、遥か沖合を西進するというものまで、数日後の予想でこれだけ違うものが出されているのを初めて見た。台風進路予想って様々な行事に絡んでくるので注視するのですが、これは実に面白い。面白いなどと言っては不謹慎だが、珍しいのでは無いか?それだけ気候情報が整っていないということか。

東北地方上空の高気圧が頑張っているということか。北上しようと思っても、それが居座っている限り本州に近づくことが出来ない。高気圧の縁を回った気流が台風が巻き込む気流と本州の南海上で合流して、西向きの駆動力を与えているように見える。Windyとか風速情報の可視化ツールが公開されているので、一般ピープルでも近未来を可視化できる良い時代になったものだ。ただ、これとて、他の情報とは異なるわけで、あくまでも、この予想ではこうなるのだなと思うしかない。火曜日9時頃には愛知県のはるか南海上を西に向かって進んでいって、愛知県においては直接の被害は無さそうに思える。

数日先の台風予想でも、それは予想でしかなく、当たるも八卦当たらぬも八卦の世界であって、電気自動車がこれだけ台頭してくると、日本の工業会が何故予測できなかったのかと思う事も「仕方が無かったのかな」などと感じ始めている。しかし、災害時の非難情報などは、悪い方向を意識して命を守ってくれと指導しているではないか。今のガソリンエンジンの投資がとんでもなく掛ったのだから、その減価償却までは新規ラインの構築は出来ないなくらいに思っていたのか。液晶パネルの大型化や有機ELパネルの出遅れが繰り返されるのだなと思う。

我が国は大企業に対する中小企業がべらぼうに多い。その末端のものづくり力を捨てることになってはならないのだが、この何を作ってどう儲けるか、国のGDPを高めていくかという時点において、それをその業界の中のまま愚直に守ることが本当に将来の国の為になるのか。中国のEVの金型技術は、日本の名人級の方々の力が投入されてこそだ。でもそれは本当に優れた技術であったから活用して頂けたわけだ。小ロットだけれども図抜けたものづくりが出来る国へのシフトも必要では無いのか。良品廉価に居座り続けると、悪品廉価の国に成り下がるのでは無いか。恐怖である。