金融とゾンビ

金融機関殿とお話をさせて頂いたのですが、彼らにしてみればゾンビ企業は国家衰退の現況ではあるが、その存在は正義であって、無くなっては困るとの事。企業としては必要で、国家としては不要と言う、これが我が国衰退の元凶なのだなと実感した次第。保険組合の半数以上が赤字とかね、国民皆保険制度も破綻してきている。人口爆発時に企業が無限に増大をし始めたわけだけど、そろそろその爆発は終焉に向かっているのではなかろうか。ここで重要なのは、企業は無くなってもしょうがないけど、そこにあるノウハウや技術は承継されるべきだと言う事。

技術承継をM&Aで成すということも多く行われているわけだが、ノウハウを定量化出来るのであればロボット導入とか、自動機を製造して人件費を削減する。知恵をデジタル化出来れば、価値と技術の因果関係も見えてきて、それを国家の財産として守れば良いわけだ。ゾンビ企業を守るのではなく、それが社会に送り出していた価値を守るべき。そしてその価値も他の優れた代替技術が登場してきたならば、いよいよご退場と言うことだ。永遠のものなどありはしないのだ。形あるものは必ず滅びがやってくるそういうものだ。

また、同席していた別の方が「開放特許活用のビジネスマッチングイベントなどをやっても、全く、マッチングが上手く行かないのは何故でしょう」という問いかけを頂いた。そんなものが上手く行くはずがない。そもそも日本の多くのゾンビ企業達は、自社が儲かることだけを考えて、社会を笑顔にしようなどとは考えないのだ。他社とのオープンイノベーションなど、遥か彼方である。目指すべきビジョンを持たず、自社の価値観すら見せかけの企業が、マッチングなど思考に無いのだ。独占欲しか無いのだ。

何故、我が国だけにゾンビ企業が増え続けるのだろうと、浪花節的人生観がいけないのだろうなどと安直に考えていたが、ゾンビ企業にえさを与えて暴利をむさぼる金融業と言うのが居たのだと、まぁ、ずっこけた次第です。金融による生殺与奪の破壊力は国をも亡ぼすのだなと、それをさらっと言ってのける様にもぞっとした。どこまで厳しい状況に陥っていくのか。先は全く見えないが、光明があるとすれば、まだ、世界に求められる技術は我が国には少なからずあるということ。それを高めていく人材にどう育って頂くのか。悩みは尽きない。