「日銀は金利を上げろ!」という声が上がっていたと思ったら「金利が上がったら景気向上意欲に水を掛ける」と直ぐに切り返す。こんな国では、じっくりイノベーションに取り組むとか無理だなと感じてしまう。大企業から中央研究所が無くなったバブル期で全てがふっとんでしまったのだろうなと振り返る。法整備も後手後手で、何かを挑戦しようとすると直ぐに待ったがかかる。「そんな法律があるのですか!」と驚くことが沢山。自動車一本足打法だって、結局、国は、自動車に関係する税金が欲しいだけだからね。
実際にテック系企業を起業してみると、機器や消耗品を購入することが極めて負担になることが解る。自動車の部品を作れるような工作機械を購入しようと考えると、それはそれは大きなお金が掛かるし、床面積も取る。消費電力も大きい。それを維持管理することも大変だ。それにはお金が必要になる。作ったもので粗利を獲得できれば良いのだが、中小企業の粗利を大企業が吸い上げるからにっちもさっちもいかない。
新幹線が突然停まって、動き出すまでに4時間以上掛った顛末を新聞紙上で拝見したが、部材の「折れ」が原因であったという。ローテクのハイテクで、基幹部品が価値を支えているわけだ。その価値には時間通りに運行されるということが、顧客側にはあるわけで、だから高速鉄道料金を支払うわけだ。それを支える基幹部品が機械疲労で破断するという、なんともお粗末な顛末だなと情けなくなった。こんなことを書くと時速300km近い鉄道が分のオーダーで立て続けに振動を加え、それが延々と続くから仕方がないと作り手は言うでしょう。でもその中でも壊れないものが出来ない国と言う事だ。
無理な軽量化やものづくり時の省エネ化、短納期の圧力が大き過ぎるのではなかなろうか。きちんとしたものを作る。それが安全を産むのは当然だが、安心の付加価値も必要なのだ。金利の上昇で景気向上意欲が下がる程度の国のものなど買いたくないというのが本音だ。国民が減って行って無くなる国になって欲しくない。世界から求められる国であって欲しい。その根幹に、教育とものづくりがあって欲しい。旅行のインバウンドだけの国を目指していそうで恐ろしい。