バージョンアップ

身銭のお話をさせて頂いたのだが、特に大企業の方々にはその思考は難しかろう。広大な中小企業のすそ野の上に君臨し、安かったら使ってあげるという姿勢を貫こうとされる。まぁ、解らなくも無いのだ。首相が勝手に「賃金を上げろ」とか言い出すしね。その分、留保して危機管理に回そうと思うのは当然。何せ数万人も雇用していればそう考えるのに無理はない。すると、リスキリングなんてさせるよりは、作業に縛り付けてミスの無いアウトプット生産者になって欲しいと願うだろう。ミスも大いなる不慮の出費だから。

不慮の出費を防ぐには、定型作業は機械にさせるのが宜しい。セキュリティを常に万全に保ち続ければ、24時間働いてくれますしね。刃物加工であれば、刃物の寿命を2倍、10倍としていけば、連続運転が可能になって、ものづくりコストの低減と被加工物の品質向上にも繋がる。適性な価格で刃物を購入して頂けるのであれば、それによって受ける恩恵は大きくなる。しかし、今までと同じ穴を空けるのだろと従来価格の踏襲を迫ってくると、これまた身銭を切らないのだなと感じるわけだ。自分ばっかり儲けようとする。

リスキリングって、世界では当たり前なんですよね。様々な福祉環境が、人が成長するインフラとなっていくことが前提で作られている。学ばない人はご退場ではなく、子供の面倒を見るお役が残っている。生まれて死ぬまでインフラである。その為に学び続けるし、身銭を上回る支援がある。それもとても大切。身銭ゼロでは得られるものは無いのだ。学んだことを使いこなせないと、それは学んだことにならないし、リスキリングでは無いからね。

アウトプット重視の時代からアウトカムズ重視の世界に変容しているわけで、私はこれが出来ますなんてアウトプットの表現は役に立たなくて、私のリスキルで貴方はこれを獲得できますというアウトカムズとして自らを表現していく時代。パソコンが使えますなんてことを履歴書に書く人が居なくなったように(居るのかな?)「だから何」と言われるような表現力ではインフラに成れないということだ。自らをバージョンアップし続ける。そういうことだ。