起業の意識を高等工業専門学校生に持って頂こうと、そんな施策がこの4月から動き出す。今更ながらではあるが、それが実現することはとても嬉しい。言い出しっぺの法則でごちゃごちゃと関わらせて頂いているが、内向きな日本人気質を、少しだけでも「すぐそこにある海外」に向けて頂ければと思う。起業だのベンチャーだのスタートアップだの、といろんな事が言われるが、要は挑戦することである。夢を持って良いのだよということだ。死ぬために命があるわけでは無いからねという松本零士先生が仰った言葉が刺さってくる。
大量生産、大量消費が世界経済のトレンドで、それを前提に大企業が成立しているわけだ。雇用が発生して、皆、努力して命を繋ぐことが出来ている。一方で、大企業が生み出す商材に感動しなくなってきていることも事実だ。それよりも頭をひねってプレゼンシートを作っているほうがずっと幸せを感じる。要するに創造の喜びである。それが人の為になれば尚良いわけで、その一つの形が起業ということだ。起業したけれど、それが自己満足に終わっても良いではないか。発想が足りなかったというだけだ。努力が足りなかったというだけだ。
大学には理系・文系を問わず、天から与えられた学理を人の為に活用するための知恵があって、一つ一つが商売になるかならないかを内閣府などが気にしている。学理の探求が本来あるべき姿だとは想うのだが、高等工業専門学校においては、工学による社会の幸向上が存置理由になっているわけだから、学びで得た知恵を社会の皆様と共に育てていく、起業という選択肢がキャリアパスにあって良いのは当然である。
複雑な量子コンピュータとて、海外ではベンチャー企業が作っている。大企業で無いと責任が取れないから助成しないなんて思考は、正に旧態依然である。大学も巨大化して自ら稼げとか言っているし、スタートアップもユニコーンにならないといけないとか幻を追い求める。純粋に夢を描き、周囲の人達に幸をもたらす起業者が数多く、この国に誕生して頂きたい。勿論、鶴舞大学もそれを一つの目標としている。若者よ来たれ!である。戯言を読んでいる若者は居ないと思うが・・