インドネシア

陛下がインドネシアに国賓として招かれていらっしゃるとのこと。赤道近くの灼熱の国を訪れたのは10年も前であったかと、自らの老人化を納得するところである。日本で言うところの赤門大学に相当する大学において開催されたインドネシア-日本・総長会議なるところに代理で出席させて頂いたものだ。シンガポールを経由してジャカルタに入り、そこからジョグジャカルタまで「コモドオオトカゲ」がプリントされた飛行機で移動した。

印象に残っているのが古都ジョグジャカルタの意味。ジョグジャが平和、カルタが街。平和な街という意味の街であると伺った時、日本のように街の統合で名称を安易に変えるということはない。植民地支配を受けていたことを忘れない為なのかもしれないが、国民の想いを一つにしていこうという意識を感じ、感動した。

そして大学においては、学生には自転車をレンタルし、学内において重量物を運搬する際には、電気自動車で搬送するという「ブルーキャンパス構想」を10年前に既に実施されていた。自分達の街を任せる若者を育てる大学の有り様を、国がしっかりとサポートしている。そんな国家の想いを感じた。当時の資料で恐縮だが(出掛ける前に調べた資料があるので)人口2億3千万の1/3が若者であるという、若者の活気にあふれた国であった。

日本を顧みると、若者がどんどんシュリンクしていく。ガソリンエンジン車はどんどんと増え続け、煤煙をまき散らすことを止めない。自転車通勤時にコロナ禍のお陰でマスクをするようになったが、呼吸が極めて楽になっていることに驚く。マスクをした方が呼吸が楽という現象に驚かされる。ブルーキャンパスなど遥か彼方。陛下のご訪問によって、両国の絆が太くなっていくことを願うばかりである。