加工屋さん

塑性加工に関わっている。関わっているのだが、日本と海外との考え方の違いに驚いている。日本では「安く、多くで薄利多売」が未だに主流。海の向こうから頂戴したお話は「絶対に世界トップを目指す」というもの。この差である。この差こそ、一人当たりGDPが世界で約40位の体たらくの根源である。

ものづくりは世界トップで無ければ意味が無い。そう思って活動してきているのだが、先日、某学会でお話をしたら「そんな技術は眉唾で信じられない」と一蹴された。お偉い方で大上段から見降ろされたのだが、既に海外の方には活用頂いている。それをどう考えるのだろうか。それも嘘だと仰るのだろうか?そこまでは聞いてはみなかったが、がっかりしたのは事実である。学者がこれでは社会は冷えるわなと。

加工は表面の形状が変化するだけではなく、刃物や砥石が走った下部に潜傷が必ず入る。これが曲者で、外観検査やX線解析では表面直近故に分からない。ここから機械全体の破壊が起こるわけだが、我が国ではこの現象は議論すらされない。海外の著名な論文誌では取り上げられるが、国内の有名学会においては小馬鹿にされるだけだ。刃物と被加工物の化学反応は完全に無視であって、加工による破壊は意識の彼方だ。

勿論、全ての企業がそうということではなく、成る程というお企業様もいらっしゃる。勿論、そのお会社はチャレンジャーであって、世界トップを常に狙って、技術競争を続けている。そんなお会社は根拠のある科学に疑いをはさむことなく、活用して頂ける。まだまだ捨てたものでは無いなとは思うのだが、それが余りにも少ない。危惧している。