150円

円安が進んでいよいよ150円の壁を越えましたな。あっという間の出来事で、一体、どこまで安くなってしまうのだろう。エネルギー、食糧、素材の輸入大国であるわけで、それが末端の国民に跳ね返ってくるわけだ。政治家諸氏は企業が給料を上げて、どれだけ物価が上がっても国民はへっちゃらさとなるまで円安を進め、日本の価値を下げまくるのだろうけれど、どこまで国民は耐えることが出来るのだろう。小生は既に耐えられないのだが。

ちょっと調べてみたら2011年10月には75円台という記録があるから、この12年の間に、円の価値が半分になってしまったということだ。ジャスト半分である。同じものが半分しか買えない勘定で、それを進めたのは間違いなくアベノミクスという奴だ。輸出企業が大喜びすれば、そこに関わる企業があまたあるから日本は安泰さという事だったのでしょうけれど、研究投資はほぼほぼ増えておらず、我が国の研究・開発力が伸びることはなく、安いけど要らない日本製品という状況に陥ってしまっている。

勿論、半導体製造機器や高純度マテリアル分野には強みがあって、我が国の強みが発揮されるわけだが、マスとしてはそんなに大量に販売できるわけでは無いので、国民生活に跳ね返ってくるインパクトは小さいわけだ。勿論、その強みは今後も継続して発展させないといけないんだけど、当該分野はベンチャー企業などにとってもターゲットになりうるのだが、投資が厳しく、容易に参入できないわけだ。いずれ、発展が飽和してしまって、斜陽となる日が来てしまうのではないかと恐れている。

ガソリンや電気代に強烈に税金を投入して、政治家は偉ぶるわけだが、国民は自分達から吸い上げられた税金の使われ方としてそれが正しいのかをしっかりと考えねばならぬ。そりゃあ電気代がリアルな価格で請求されたら、大学などは一瞬にしてふっとぶだろう。家庭にしても同様かもしれない。真に持って弱い国家である。政治と国民の分断は甚だしく、ノートを取らない大学生の問題など消し飛んでしまうのだが、それも国力に跳ね返ってくるだろう。恐ろしい。