電力発生とCO2削減

CO2排出による地球温暖化によって、今のところ数センチメートルの海面上昇で済んでいるのだが、そう遠くない近未来で、このままいくと一気に30cm上昇なんてことになりかねまい。それを防止しようと様々な研究者が地球温暖化をどうやって抑止しようかと必死になっているわけだ。産業的に影響力が大きい処ではセメント製造過程における炭酸ガス排出が、世界の8%を占めるとか、普通に目にしている産業からの排出をどうやって減らすのだと、なぞなぞである。

石炭火力発電で必要なのは燃焼カロリーであって、クリーンな廃棄とリサイクル可能な廃棄物が獲得できて、炭酸ガス排出を削減すれば良いのだが、機器の寿命が短くなるようではいけない。NEDOが主導して、JERA殿とIHI殿が碧南火力にアンモニア共燃焼によるCO2排出量削減に取り組んでいることは、当該地域では知らぬ人は居ないわけだが、アンモニアの燃焼熱って案外低くって、必要な燃焼エネルギーを得るには燃焼混合に相当の工夫が必要になる。

不完全燃焼の状態でアンモニアが出てくるとか、燃焼によるNOxが大気汚染になっては本末転倒、高度な技術が必要なわけだが、特に停止が続いている浜岡原発をベース電力として設計されてきた電力系統がフル活用できない状態でのCO2削減は、厳しい技術的状況に追い込まれているからこそ、チャレンジし続けて頂きたい。

海洋近傍住民の了解を得にくい巨大洋上風力発電器なども、どんどんと研究が進められているわけだが、日本においては環境影響評価法による基準が1万kWから5万kWに引き上げられようとしているが、世界の潮流は10万kWだし、もっと大きくなるかもしれない。その一方で、10万kWの電力を海中を通って陸に上げるケーブルなどは未だに存在しないとか。そんな見えないとこの研究もまだまだこれからである。素材を極め世界に貢献する日本の底力に期待したい。