落葉

昇竜道という、なんだか、ノーベル賞と絡めて富山・石川と愛知を結んだラインを、勝手にそう呼んでいるということを、もう、何年前だろう、聞いたことがある。何の努力もしない連中が、なんだかお金を集めたくて言っているのだろうと、冷笑したことを思い出すわけだが、リスペクトされる程の評価などは、それこそ血の汗を吹き出すほどに頑張らないと、誰も認めないのは当たり前の話である。先日、例によって訪ねたことの無い場所を塗りつぶす旅において「こんなところにこんな人の願いが!」というところに出逢った。

単純に新聞の折り込み広告的ミニコミ誌に出ていた写真の場所が、行ったことが無いというだけでステアリングを握るわけなんだけど、地域情報を調べていたら、どうも、山入端に名刹があるらしいということで、そこを尋ねることで、紅葉狩りも兼ねて出掛けてみた。なんとなく感じていたのだが、灼熱の夏の影響か、名古屋市内のプラタナスなどは、黄色くなりきらず緑色から黄土色になって落葉してしまっている。紅葉は期待しないほうが良い。

猛烈に暑くて、紅葉が想定外となっているわけだが、これは、まぁ、数億年の命を繋いできた植物だから、きっと、数年も経たないうちに、紅葉できるようになるのかもしれないけれど、ひょっとすると、緑のまま、枯れることを選択するのかもしれない。それはほったらかすとして、今年の紅葉を巡っているのだが、紅葉は茶色か緑と茶色で落葉するとか、植物にとっては、少雨と灼熱は厳しかったのかもしれない。

本当に、名刹であった。祈りの楼閣である。人々の想いが込められた、清々しい場所であるのは間違いないのだが、自然がちぐはぐで、夏バテ著しい。恐らくなのだが、これが常態化していって、紅葉狩りという文化は消失するのではないか。自らを滅ぼすくらいに繁殖を続けたセイタカアワダチソウの如くに、人類も生きられなくなってきたと言うことだろう。日本の人口減少は必然であろう。その中で何を成すか。考えるべきなのでしょうね。