良港

愛知県は本当に豊かなお土地柄だ。山にばかり籠りに行っていたので、海方面がノーマークであった。ノーマークと言うことも無いのだが、知多半島や渥美半島には度々出掛けて、何らか、面白い体験をさせて頂いてきたのだが、観光地化され過ぎていて、三英傑を育んだのは農地開拓というイメージしかなかった。無限に広がる農耕地に、近距離の川からの良質な水が食糧の源になり、大勢の胃袋を支えることが出来る農業国というイメージだ。

海があれば塩が獲得できる。実際に、今も知多半島では塩田があるしね。海水浴シーズンとなれば車列がタイヤを停める、道路が駐車場状態になってしまうことも、愛知の海嫌いになっていた原因である。食べて美味しいと思える魚介類に出逢ったこともないし、自然と、愛知の海から離れていってましたな。淡水で過ごしてきたと言うこともあるんだけど、棺桶に両足突っ込んでくると、まぁ、ちょっとは愛知への恩返しという事では無いけれど、ちょこっと海に出掛けてみた。

で、ネットで調べて得られる情報程度なのだけれど、三河湾、伊勢湾、外海と、どんどんと急激に深くなるからこそ、様々な漁業資源を獲得できるのですな。深海に対する漁業は農水省が厳しく制限していることから、むやみやたらと獲得できるわけではないし、水揚げの港も決まっている。加入しているケーブルテレビのドメスティックエリアの情報で、深海魚が名物と言っていたなと思い出し、第三東名を活用させて頂き出掛けてみた。

豊かなところですな。土地の皆さんの余裕が街中で見て取れる。今までは、海際を走り回るのは渋滞シンドロームで、生理的に拒否してきたので、食わず嫌いはよろしく無いなと感じた次第。考えてみれば現状の国道は所謂バイパスだから、生活の匂いは無い。生活が匂う場所にこそ文化がある。文化を感じない旅は無意味だ。想えば山路に行ってもそんなところを訪問している。まだまだ探訪するところはあるようだ。楽しみが増えた。