コンサルにあらず

話を聴けと言う。聴こうとするのだが、音波だけを感じて、聞いておしまいとなることがある。何の為に話を聴けというのか、ゴールを共有させて頂けないからだ。自らの利益だけが欲しいと、全身からオーラを発していらっしゃるからだ。ひたすら「早く帰ってくれないかな」と祈りの時間に化けてしまう。これは所謂時間泥棒である。エンデ氏の『モモ』を熟読して頂きたい。児童書では決して無い。社会人一年生になったら、必ず読み、知恵にするべきだと感じる。

自己主張して頂くことは結構なのだが、聴き力が無い方の自己主張は単なる我儘であって、他者を幸せに誘うことは無い。なるほど、誰かを落としたい穴を掘りたいのですね、その片棒を担げと言うことなのですねと、まぁ、コンサル業などはそれがライスワークだから仕方が無いのであろう。問題は、ライスワークと認識せずに、自然体で他人を貶める穴を掘っていることに気が付かずに、時間泥棒を繰り返すことだ。切株に当たる兎を待つのだろうが、目の前に切株を置かれても困るわけだ。

それぞれの人がどんな機能を有しているか、各自がフラグを立てているので、そのフラグを見てやってきて欲しいのだけれど、勘違いというか、思い込みというか、池に石を投げ込めば波紋が広がるだろうくらいのことでは困るのだ。池では無いのだ。少なくともどんな価値観を持った組織の一員なのかを考えて頂きたい。知恵も時間も無料では無いのだ。そもそも論、初対面の相談程度で何とかなる事柄など今の日本には無い。

地球上で様々な競争がある。ビジネスの世界においては、その競争に勝たねばならないと、世界としのぎを削っていらっしゃる。その「今」において大学人が「これ」と言って差し出せるものは、そうそう無い。何故ならば大学とは未来の出来事を仮定し、その仮説検証を成している場だからだ。課題に共に取り組むことは出来るが、社会問題の答えをよこせと言われても、それはお門違いだ。それこそ、金銭と言葉を交換してくれる星の数より多いコンサル様に頼るのがよろしい。そう思う。