破壊してこそ

コダックとフジフィルムがフィルム戦争を繰り広げている間に、カシオQV10が颯爽と登場し、それ以降、デジカメの進化は止まらない。アンセルアダムスのゾーンシステムの考え方から、兎に角、シャッターを切りまくって、2000枚の中から1枚、お気に入りの撮影結果が残れば良いやという、撮影スタイルまで替えてきた。シャッターどころか、高速メモリの重厚長大化で、ビデオ撮影の一駒を切り取って、静止画として鑑賞に耐える記録方式にまで到達した。人の行動まで変革する破壊的イノベーションである。

日本の自動車業界も見えないところでEVシフトを進めてきた部分もあるが、日本の政策面が全く追いつかず、急速充電機の設備が出来ず、口ではSDGsと言いながら、CO2対策への本気度はどうなのだろうと疑ってしまう。まぁ、大震災で原発がひっくり返ったのは事実で、電力不足を火力で補っていないところはまだましか?しかしながら、電力網の脆弱さはいかんともしがたく、もしも、急速充電が可能な全固体電池が実用化されて、夜間に家庭充電が可能になると、送電網がふっとぶかもしれない。それこそ全固体電池による破壊的イノベーションである。

リアルな破壊は頂けない。そうであれば、在宅勤務環境などの徹底した整備が必要であろう。それに伴う開発も必要だ。PCのディスプレーでは無く、壁そのものが「あっち」の空間との境界になるような、リアルな人同士の触れ合い空間を作ってしまうのが良かろう。破壊的イノベーションはいたるところにある。ディスプレーなど地震の時に吹っ飛んでくる凶器のようなものだしね。トレインシミュレーターの様に、左右・全面がいざとなったら会社環境そのまま投影されるような仕組みがあれば良かろう。

EVとなることで、車両重量が増し、サスペンションがごつくなるだけでは無く、タイヤと道路の摩擦の増大で、マイクロ・ナノダストの排出量が増している。タイヤの素材など、呼吸器系疾患の原因になるし、EVによって新たな病の発生に繋がるかもしれない。移動することで莫大なエネルギーを必要とするならば、それを無くす研究もあって良いではないか。化石燃料で作られた社会をトレースせずに、もっともっと破壊的イノベーションを進めなければならない。そう思う。