残念

べたなネタになってしまってつまらないのですが、品質不正の件は本当にいただけないなと感じるのですよ。一人当たりGDPが急降下を続ける中、工学に携わる者として、そして教育に携わらせて頂く者として、なんということかと。この手の類が留まることを知らずに延々と湧き出てくる。政治家諸氏の金銭感覚の無さ、マスコミの政治家諸氏へのおべんちゃら、そして公安だってトカゲの尻尾を必死に探す体たらくなどは「またか」という、まぁ、そんなもんだろうという感覚で捉えるが、技術の不正は頂けない。

「〇はあります!」と再現性を確認せずに公表して残念なことになった事例は、まぁ、理研のとりまきが悪かったのだろうとは感じるのだが、研究を実施しているご当人が再確認をしなかったという点においてはまずかったよね。あんな時にはマスコミは大喜びで断頭台に人を押し上げてしまうのだが、角栄さんの後、同様のさらし首を見たことが無い。マスコミなんて無くなったら良かろうと思ってしまうが、ダイハツさんの品質不正を、今後どんな風に論じていかれるのだろうか、ちょっと注目したい。注目したからと言って、どうということも無いのだが。

もう、何年前になるだろうか、恐らく8年位前だったと想像するのだが、Dアメリカ社を尋ねさせて頂いた時に、衝突試験実験場を拝見した。一体一千万円超えの試験用マネキン(マネキンとは仰っていなかったが、正式名称を忘れてしまったので)達がずらっといらっしゃって、衝突試験における費用の掛け方に「人の命の為に当然の事」と仰っていたことを思い出し、この度の某社殿のなんというか、命の軽視に日本企業の有り様を感じて天を仰ぐ。

天網恢恢疎にして漏らさず。ものの見事に洩らさなかったわけだが、昨日現在までで174件(新聞情報の転載)の不正箇所が見出されたという事なのだが、今後、増えて行ったりしないこと願うばかりだ。現場はプレッシャーを経営幹部から受けたということだが、わが身を振り返り、気を付けねばと思うばかりだ。思い違いだったということと、組織ぐるみの隠ぺいということは大いに違う。ものづくりに携わる地球人類全てに関わる問題である。市井の人々の命を軽視してはならない。お金を命より優先してはならない。それだけのことなのだが。何時まで繰り返されるのか。悔しいばかりだ。