引っ越しというのは面白い。捨てても捨てても部屋の惨状はどんどん悪化していく。こんなに捨てているのに、何故、見た目、ますます悲惨な状況になるのかと実に不思議である。大型の装置などは撤去すると床が現れるから顕在化出来るのだが、閉じられた狭い空間で、棚の中のものを広げてしまうと大変である。足の踏み場は無くなるし、縦方向に積んでいたものを水平展開すると、とてつもなく広がっていく。90リットルの巨大なゴミ袋の重い事。1メートル四方は有ろうかという巨大な袋になるのだが、それを出したとしても床が広く見えてくるわけでは無い。
今朝はこの箇所を重点的にと陣取り合戦である。なんでこんなものがここにあるのだという、なんというか、ずぼらさが出てきてしまうわけだ。名古屋市のごみの分別に対しても詳しくなってくる。こんなものが何故、燃えるゴミなのだ!と驚く場面は多い。生分解性プラスチックを用いて、3Dプリンタで作製した治具達であるが、目的達成に及び、いよいよ廃棄対象である。金型などもどんどこ投げ捨てるわけで、なんとか次の方へと部屋をバトンタッチしたいわけだが、30年の歴史は、そう簡単には葬り去ることが出来ない。装置など、引き取って頂ける方の出現はとても有難い。
部屋だけでてんてこ舞いで、なかなか実験装置群の撤去まで手が回らない。それらなどはかなり大型で、取り出していく出口までの経路を考えて、入り口に近い方から撤去に入るわけだが、装置の分解も必要になって来て、おいそれと手が付けられない。配電盤からの切り離しからになるのだが、電気工事士の資格はあれど、しばらくペーパードライバー状態であるから、しっかりと防具と指差し確認をせねばならぬ。まだ、まだ、その近傍迄手が回らないけれどね。昨日は簡単なガスボンベの搬出などを行ったわけだが、それとて、行く手を他の方に阻まれ、それらを動かしながらの作業になるから時間が掛かる。
追い詰められてくると、引き出しの中身などは、取り敢えず段ボールにぶちまけて、必用・不必要となっていくのだが、不必要なものの多い事と言ったら驚く。ほぼほぼ捨てて良いと決断できるものばかりではあるのだが、それはもう、実験を行わない殻であって、データ取得中においては一軍選手だったモノ達だ。感謝しながら袋詰めを行っていく。まぁ、思い切りが肝心で、とりゃぁっと縁を切っていくわけだ。きれいさっぱりで気持ち良い。遅々として進まないが、それでもキャビネットに空間が出来てくる。床に置かず、そこにものを入れながら片付けを進めると、なんだか終りが見えてくる気になっている。まだまだだ。