都市と地下電車

名鉄が1号線と並行して走っているあたりは、高架される以前は、そこを車で通過することを考えることすら嫌であった。有松あたりはお金が足りなかったのか景観の問題か、外環状線が引っかかったのかどうか分からないけれど、未だに開かずの踏切がでんと構えている。小生としては利用することは滅多に無いというか使わなくて良いので、まぁ、どっちでも良いのだが、車を利用する人にとっては不便だろうなぁと思う次第。

長野にお出かけされた方はご存知だと思うのですが、その昔は路面電車が走っていて、なかなかにして良い雰囲気を醸し出していてくれていました。今はそれがどっか行っちゃってというか、地下電車になっているんですな。冬の降雪と結氷を思うと、思い切って良い選択をされたなって思うのです。人口は40万に満たないところですが、路面電車当時、車が街に「止まって」溢れかえっていたことを思い出すのですが、今、行ってみるとすうすう走ってくれて、見ていて心地よい限りです。

長野でどれだけ費用が掛かったのかは知らないのだが、100億円/1kmとも言われる都市部の地下トンネル工事。優れたシールド工法が開発されたとはいえ、かかるものはかかりますな。それを乗降客が支払う運賃で賄えるとは到底思えず、やはりここは税金使途の考え方と言うことになるのだろう。流石に地下区間はそんなに長くは無いのだが、善光寺を有する観光都市であればこその観光客誘致を考えれば、思い切った投資で良いのではないか。

名古屋城天守のエレベーター問題。税金が投入されるわけだが、税金を投入して文化財もどきを作るのか文化財を作るのか。はたまた、名古屋人文化を作るのかということなのだと思う。本物を作って将来技術で誰もが上がれるようにするのか、木造だけどメカトロ突っ込んで、海外から誰も見に来ないものを作るのか。極めて難しい問題である。短慮は禁物。どうせ耐震的に危険なコンクリート天守は撤去するし石垣の点検・保守も必要だ。それにも相当に時間が掛かる。いろいろと考えてみるのが宜しい。