シングルモルト

今朝のニュースでびっくりしたもの、それはサントリーのシングルモルトの販売休止。海外販売が優先され、国内ではハイボール程度に抑えていくとのこと。ブレンド用にシングルモルトは必須であり、その原料が無くなってはということなのだろう。それにしても国産ウイスキーの原酒販売が抑えられるとは魂消た。

何が魂消たって「そんなに皆さん、ウイスキーを呑むの?」という驚きである。余市に出掛けてシングルモルトを頂いたわけだが、小生にとっても結構強烈だと感じたんだけどなぁ。あんなものをどんどこ呑んだら、そりゃぁあかんだろう。どっかの芸能人じゃないけれど、肝臓疾患で入院は免れまい。とはいうものの、竹鶴政孝さんは毎晩一本空けていたそうな。まぁ、申し子の方ですからね。マネしちゃいかんということだ。

ちょっと前から日本のウイスキーは海外で評価されて、輸出がかなり増えたと聞いていた。様々な蒸留所が元気よく海外に向けて「洋酒」を作る様は、白モノ家電や自動車の輸出という便利グッズの安価料品の輸出から、人の時間の有効活用グッズという、人生に直結するものを世界に向けて発信できるようになったのかなと、嬉しく思ったものだ。

自動車や工作機械、ロボットなど、所詮は海外から入ってきた概念を勤勉さで形にして送り返しているだけだ。洋酒であっても同様である。昨今、日本酒ブームと共に、枡そのものも海外で受け入れられ始めている。こちらはまだまだ始まったばかりだが、木という人間の営みに寄り添ってきた物質を、人の営みに直結する形に変えて海外に向けて発信出来ていくとすれば、これこそ我が国のあり方ではなかろうか。日本文化でしかありえないもの。もっと大切にしていきたいものである。