研究室で実験装置を動かしていて思うのだが、メカ的なものは本当に壊れない。エレクトロニクスは静電気一発でふっとんで、何千万円が墓標になっちゃったりするんだけど、自動乳鉢なんて、月~金で無停止状態で、モーターが熱くなったとしても燃えたりしないもんね。そりゃぁ、燃えちゃったらえらいことなんだけど、世界と戦っていると考えると、自動運転頼みになってしまうわけだ。この自動運転状態も重要である。
最近、空間的に離れた場所と2か所で同じことを目指して機械を動かしているのだけれど、同じ型の装置であっても出来上がりが全く異なるという状況になっている。片方は小生は全く見ることが出来ていないので、なんとも言えないのだが、当方の機械と同型のもので作業しているという。この同型というのが曲者で、何年もの差があって、同じ型式なんだけど、写真を見るとモーター周りのハウジングが違っていたりする。何しろ、メノウ製乳鉢・乳棒というのは一品ものでセットものということで、同じものが世界に二つとない。
結果がまるで異なるのだ。こんなことあんのか?というくらい謎めいているのだ。当初は高さ調整が違って混錬がうまくいっていないのではないかとかいろいろ考えたのだけれど、決定的な違いに関して当初から気になっていて、そこをクリアしていこうという方向で動いたわけだ。これなどは半導体産業に関わってきたからピンとくるものなんだけどね。当たり前の相違ということだな。
学生時代からやっていることで未だに悩む。だから技術を構築するという行為は面白いのだ。技術を構築する手法が研究ということなんだけど、その研究を支えるのが別の技術・道具だったりするので、その微妙な違いが、誤差範囲に収まるのかどうなのかを見定めなければ製品になっていかない。要するに研究と開発はまるで違うもので、開発に着手できると思っていても、まだ研究途上であったということも多々ある。これを乗り越えるといよいよ開発に向かっていける。関われることは有難いことである。