文部科学省曰く、令和4年度国公立大学入学者数が約6万8千人。私立大学は78万人。昨年の出生数が80万人を切ったわけで、18年後にはその人達が大学受験をするとすると、今のままの大学の有り様では、全入と言うか座席数のほうが多くなる勘定である。競争関係というのは強さの源泉であって、全入ではぬるま湯になり、日本全体が死滅するかもしれない。勿論、東大や京大はより倍率が高くなるのだろうが、そうではない大学は決意をもって、今、変革せねばならない。
それは今いる教員を鍛えて、Q1ジャーナル、ネーチャー、サイエンス系をじゃぶじゃぶ出そうなんということでは無い。大学の有り様そのものを変革せねばならぬのだ。名工大なら女子大になるとか、アジア・オセアニア系学生を、企業と共に博士まで育てるとか、そんな勢いを持った変革が必要なのだ。トップは決断するしかない。それを成さねば次の期は無かろう。
企業も体たらくで、今ある仕事が無限に続くみたいな幻想を抱き、一度、入社させたら二度と勉強させない、勉強は無駄だなどと思っている。それは現在の企業トップが学ばなかったからだ。視野も度量も狭い、それが日本企業のトップの有り様だ。例外は勿論あるけどね。ヒアリングに依れば、リカレント・リスキリングは天職のトリガであって、広い世界を見せたくないという呆れた考えが企業トップに蔓延している。
2030年から受験生の減少の傾きが大きくなる。要は全大学に対する入学への倍率が下がっていくということだ。その中で、倍率を上げる大学も出てくるだろう。すると、極端に減る大学も出てくるということだ。デパートが無くなっていく。特色の無い学びの場は無用である。社会が何を求めているか。それを鍛えていくこと。思い切る期限が刻一刻と迫っている。当たり前では駄目だ。それが世界だ。