アンデス山脈って凄くて、熱帯なのだけれど氷河を抱いている。大学入学直後に、ラテンアメリカ史という講義を受けて感銘し、N先生のお部屋に通ったことを忘れたことはない。マチュピチュなどに行ってみたいなと思いながら、まぁ、いかないだろうなと空の財布をひっくりかえしてため息をつくばかり。ということを言いたいのではない。その熱帯氷河を抱く国の一つであるエクアドルのフンボルト氷河が無くなってしまった。溶けちゃったということだ。
氷河の定義って面白くて、氷が沢山あるだけではだめで、氷の自重で流れないと氷河と呼ばないのだそうだ。そりゃそうなのだろうけれど、ちゃんと定義があることを愉快に感じる。愉快と言っていられないのが氷河の消失だ。南米において、最初の氷河消失国になったそうだ。標高5千メートルの地域においても氷河が氷原となってしまったということだ。
アラスカ地域においてもどんどこ溶けていて、それは溶けているだけではなくて、温室効果が炭酸ガスの20倍と言われるメタンがじゃんじゃか出ているという。こうなってくると、電気自動車にして地球温暖化抑止なんて間抜けなことを言っている場合ではないのではないのか?炭酸ガス固定化、メタン固定化技術とか、真面目に取り組んでいかないとグリーンランドが氷原になっちゃって、海面が1mくらい上がっちゃうのではなかろうか。
メタンが出てくるということは、有機物が腐敗したものが地表に出てきたということで、その中にはひょっとすると人類が遭遇したことのない細菌が出ていていたりするかもしれない。連鎖的に環境が変化し続けているのは事実だろう。地球という、人間にとっては大きい塊なんだけど、その塊に影響を及ぼす程の活動をしたというのは凄いことだと感心するものの、本当に、この星、大丈夫かなと懸念し始めたフンボルト氷河の消失事件でありました。