老害考

若いけれど老害。ベテランだけど若者。どちらも存在する。害毒は勿論、若いけれど老害で、ベテランの老害よりもたちが悪い。ベテランの老害は、指折り数えればご退場になるからね。それでは老害とは何かということになるのだが、過去の実績を振りかざし始めると老害と言えよう。成長して追い抜いて頂いてこそのベテランなのだが、若者的ベテランは、永遠に努力を重ねていらっしゃる。見えないところでのすさまじい努力に感動する。ベテランだけど若者である。

老害を至る所で感じるのだが、まぁ、政治家程、老害に蝕まれた世界は無かろう。目まぐるしく変化していく世界の中で、我が国だけが化石の如くに変化しない。世界競争力ランキングという面白い指標において、企業の技術革新や利益に直結するとされる「ビジネスの効率性」という値が51位なんだそうだ。そんなに高いのかと驚いたが、政府の効率性の42位といことで、「あてになんのかな?」と本来、ランク外であるはずの値がランクインしていることにランキングに疑念を抱くが、企業の技術革新指標が落ち続けていることには賛同する。

自動車業界をにぎわしている検査不正などは若いけれど老害の表出であろう。勿論、ベテランの老害の言動と行動に端を発するものだったとは思うのだが、それを正さず実行してしまうところは老害である。今を変えようとしないのも老害である。出来ない理由を作り出すのも老害だ。なんだかんだと自らを正当化しようと努力して、その実、今の作業を変えたくないだけ。これなどは正に低効率を維持しようとするもので、世界ランキングを下げる要因である。

老害になりたくはないのだが、気が付くとそうなっているのかもしれない。新しいことを成し遂げようと思っている間は良いのかもしれないが、Z世代諸氏にとっては、それも老害なのだろうと思ってしまう。どんな行動がベテランだけど若者となるのか、時代のものさしに照らさないといけないなとも感じている。新しい老害に気づくようになってしまった。恐ろしいことである。