本社の急速な少子化に伴う将来を見据えた高等教育の在り方というとんでもなく長い物語を拝見するに、民間企業殿はリスキリング・リカレントに対して、専門業者に委託する割合が、地域大学に委託するよりも遥かに多いとのこと。要するに社員に期待する変化速度を気にするのだろうなと考えたりする。ちょっと勉強してこいという時に、期待するのは、戻ってきたら「この作業が出来るようになっている」ことなのだろう。自分で考えて、問題を見出し、その解決に向けて提案するということは期待され無いのだろう。
諸外国では全く逆というか、数年ごとに大学で基礎を学び直し、新規を学ぶということが給与の中で当たり前の如く行われている現状がある。それはそうだろう。知恵ある者を雇用している方が、30年前に大学を卒業して、古い知識のまま、そこに座ってエクセルを開いている者よりも収益効率が上がるに決まっているのだから。学びたい欲求を閉ざされ、自動化によって無くなるべき作業をやらされる苦痛から解放されるには、転職しかないというこの国の何処に未来があるというのか?
ただ、本社としても答えがあるわけでは無い。国際競争力35位というポジションに甘んじているのではないが、どうやったらそれを効果的に上げていくのかは、学びと経済という単位時間の異なる世界の出来事に対して、支社に強制的指導はしにくいであろう。地域の特色もあるしね。悪い方向に回り始めたコマは倒れるまで悪い方向に回り続ける。経験的にはそう感じている。破壊的イノベータによってのみ、そのリセットは叶うのだが、多くの場合、それは期待できない。
知の総和を上げるということなんだけど、現状、企業の皆さんが新たな学びを求めているとは思えない。更に言うと、一週間の大学を除いた場所での学びが5時間以下という大学生が過半数という現状から、この国には未来は無いなと、正直思うのだ。必死さが無いというかね。美術館や博物館が満員御礼で入場制限が掛かったとかのニュースは見たことが無い。夏休みの小中学生諸君。君達に期待する。学んで欲しい。とは言うものの、こんな駄文を見てはいかんよなと、自虐してみる私であります。